チャプター 186

エル視点

少女に案内されて中に入った。部屋は簡素でありながら古めかしく、壁には星図や錬金術の記号が飾られており、それらがまるでこの世ならざるエネルギーで脈動しているように見えた。銀白の髪をした老婦人が、中年の助手に支えられて瞑想用のクッションから立ち上がるのを見て、私は息を呑んだ。

エレノア・ブレア。

彼女の目――ああ、その目は恐ろしかった。まるで私の皮膚も骨も通り越して、魂の奥底まで真っ直ぐに見透かしているようだった。その視線の下では、隠そうとしてきたあらゆる秘密を見抜かれているようで、自分が丸裸にされたような気分になった。

アビゲイルはすぐに前に進み出て、恭しく一礼した。「エレノア...

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