チャプター 19

エル視点

「エル」アレックスは微かに微笑んで訂正した。「アルファと評議会議長は、あなたが妊娠期間中、ここに留まるのが最善だと考えています。今のあなたの第一の責任は、アルファの子を守ることですから」

私は胸の前で腕を組んだ。「仕事が必要なの、アレックス。自分の収入が欲しいのよ」

アレックスの表情が同情で和らいだ。「懸念は分かりますが、しかし――」

「しかしも何もないわ」私は遮った。オッドアイの瞳が決意で輝く。「一日中ここに閉じ込められるなんて無理。気が狂っちゃうわ」私はナイトスタンドから携帯電話を掴んだ。「ブラッドに電話する」

アレックスは反対したそうな顔をしたが、ただ頷いて一歩下がり...

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