チャプター 216

エル視点

部屋を出ると、ブラッドが私の指に自分の指を絡めてきた。さっきまでの緊張感を思うと、その感触は温かく、安心させてくれるものだった。ルーカスの嫉妬に満ちた視線と、メアリーの探るような眼差しがまだ肌に突き刺さるようだったけれど、隣にブラッドがいるだけで、すべてがどうにかなりそうに思えた。

「おいで」と彼が言った。抑えようとしているのに、声には隠しきれない興奮が滲んでいた。「見せたいものがあるんだ」

彼の琥珀色の瞳には、ここ数週間見られなかった温かみが宿っていた。これまでのすべてを乗り越えてきたというのに、私の心臓はまた、いつものあのときめきを覚えた。「何を見せてくれるの?」

「俺の...

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