第二十七章

エル視点

「僕ならもっと責任ある仕事もこなせるって分かってるんだ」ルーカスは、明らかに根拠のない自信をのぞかせた。「っていうか、どれだけ大変だって言うんだ? ブラッドなんて簡単そうにやってるじゃないか」

ようやくブラッドが皿から顔を上げた。その琥珀色の瞳が、異母弟を射抜く。その表情には、私もよく見覚えがあった。

「ほう?」ブラッドの声は、油断させるほどに落ち着いていた。「それで、本社のどの役職に就きたいと? 最高執行責任者? 社長? それとも、取締役会会長から始めたいとでも?」

ルーカスは目をぱちくりさせ、陸に上がった魚のように口をパクパクさせた。「な……どういう意味だよ、ブラッド?」...

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