第二十三章

エル視点

私は衝撃に目を見開き、カリスタを見つめた。手は無意識にお腹をかばうように動いていた。「何を言っているの?」

カリスタの瞳が、何か危険な光を宿してきらめいた。肌が粟立つような、不吉な輝きだ。彼女は私が置いたばかりのトレーを指さす。「とぼけないで。その食事――下剤が盛られていたわ。私が気づかないとでも思った?」

「カリスタ、何のことだかさっぱり分からないわ」私は心臓を激しく鳴らしながら、一歩後ずさった。「メイドの一人が気分が悪いからって、これを運ぶように頼まれただけよ。食事には一切触れていないわ」

しかし、そう口にしながらも、頭の中で点と点が繋がり始めていた。これは食事のことなん...

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