第二百五十章

エル視点

スーザンの悪化し続ける容態を案じ、期待と恐怖が入り混じった不安定な感情のまま、私は所長にすべての望みを託した。責任の重圧が、まるで息を詰まらせる毛布のように肩にのしかかる。

所長は手の中にある古代の薬瓶をじっと見つめ、その年季の入った顔に集中して皺を寄せていた。「この薬の成分を分析さえできれば、解毒剤を作ることは可能だ」と、彼はゆっくりと口を開いた。「だが、こうした古代の錬金術による秘薬は、時間経過で性質が変化するという特性を持っている」

私は震える指でスーザンの医療分析レポートを彼に手渡した。「彼女の身体機能が、急速に低下しているんです」

データに目を通しながら、所長は眉を...

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