第二七章

ブラッド視点

書斎に戻り椅子に腰を下ろすと、アレックスが手際よく信号フィードを大型モニターに接続した。複数のスクリーンが次々と点灯し、エリックとミラが密会している部屋の様子を様々な角度から映し出す。

正直なところ、エルと俺が去った後、どんな「面白い展開」が繰り広げられるのか気になっていた。

そして、クソ、期待を裏切られることはなかった。

メインスクリーンには、俺がこれまで目撃した中で最も哀れとしか言いようのない逃げ口上を試みるエリックの姿が映っていた。あのデブ野郎、ミラとの約束をまんまと反故にしようとしているのだ。

スピーカーから、偽りの温かみに満ちたエリックの声が流れてくる。「こう...

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