チャプター 36

エル視点

顎が外れるかと思うほど、私はブラッドを見つめて呆然とした。

「あ、あなたが連れて行ってくれるの?」まるで電撃でも食らったかのように、言葉が口から飛び出した。「妊娠検診に? あなたが?」

幻覚でも見ているのだろうか? 彼が一緒に行くなんて、考えたこともなかった。

思わず腕を強くつねってみる。跡が残るくらいに。ううん、間違いなく起きている。

ブラッドは、それが世界で一番当たり前のことであるかのように、私の指から予約カードをひったくった。「検査のために絶食してるのか? もしそうなら、もう出た方がいい」彼の口調は、腹が立つほど事務的だった。「お前をさんざん突っついたり調べたりし...

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