チャプター 38

エル視点

感情が重く胸にのしかかり、分厚い羽毛布団にさらに深く潜り込んだ。その重みは、幾重にも重なった羽毛の層よりもずっと堪えた。

「今はいい。もう寝るから……」枕に顔を埋め、くぐもった声で呟く。「先に行って。私のことは気にしないで」

「わかった。おやすみ」

ドアを閉めながら、彼は素っ気なくそう言った。

一人になれてほっとするはずだった。なのに、胸には奇妙な空虚感が広がった。寝返りを繰り返すが、体は芯から疲れているのに、眠りは手の届かないところを舞っているようだった。

ついに諦めて、素足のまま窓辺へと重い足取りで向かった。冷たいガラスに額を押し当てると、そのひんやりとした感触が心地...

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