チャプター 56

エル視点

ようやくベッドから体を起こす気力を振り絞ると、部屋の空気が息苦しく感じられた。

足元がおぼつかず、よろめきながらバスルームへ向かう。筋肉という筋肉がすべて痛んでいた。背後のシーツはぐちゃぐちゃに絡まっていて、ブラッドと私の間で何があったのかを、残酷なまでに突きつけてくる。

シャワーを出し、バスルームが湯気で満たされるのを待ってから、温かいお湯の下に足を踏み入れた。水が体に流れ落ち、私たちのセックスの物理的な痕跡を洗い流していく。けれど、私の内で渦巻く混乱には何の効果もなかった。彼の締めつけが強すぎた場所、その口づけが荒々しすぎた肌の柔らかい部分にお湯が当たると、思わず顔をしかめ...

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