第10章

 分厚いキャンバス地の天幕が乱暴にめくり上げられ、治療室の冷ややかな静寂が打ち砕かれた。大小二つの影が、弾かれたように雪崩れ込んでくる。

 何が起きたのか頭が理解するより早く、ドラコンの巨大な体はすでに私のベッドの傍らに崩れ落ちていた。

「クラウディア……」

 その声は、嗚咽と紙一重の、喉の奥から絞り出されたような掠れ声だった。普段なら軍勢すら震え上がらせるほど鋭く恐ろしい金色の瞳には、痛々しいほど血走った血管が浮かんでいる。彼は私に覆いかぶさるようにしながらも、触れることすら恐れるようにその大きな手を震わせていた。そして、私の体を幾重にも巻く分厚い包帯に目を奪われる。

「どこが痛む...

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