第293話

ドアが閉まると、私はシンクレアを見上げて微笑む。言葉にはできないけれど、彼の表情から彼も私と同じ気持ちだということがわかる。温かくて、幸せで、この小さな命を育てていくことに少し不安を感じながらも、心から喜んでいる。

彼と一緒にここにいることが、本当に嬉しい。

「素晴らしかったよ、エラ」シンクレアはつぶやきながら、指で私の顎を上げ、ベッドに入ってくる。このシーツがもう…まあ、少なくとも処分しなければならないことは無視して。でも、シンクレアはそんなことを気にしていないのはわかっている。彼はただ私のそばに、私たちのそばにいたいだけなんだ。

「彼が素晴らしいのよ」私は赤ちゃんに視線を向け、身を乗...

ログインして続きを読む