第430話

「じゃあ、あなたたち二人は」コーラが言い、視線をロジャーとシンクレアの間で行き来させる。「もう大丈夫なの?たった15分で、すべて解決したの?」

シンクレアは肩をすくめる。「かなりあっさり済ませたよ。彼は保護観察中だ」

「いや、違うよ」ロジャーがぶつぶつ言い、コーラに向かって首を横に振る。

「そうだ」とシンクレアが低く唸る。

ロジャーはただ身をかがめ、コーラの耳元にささやくふりをしながらも、私たち全員に聞こえるくらいの声で言う。「保護観察なんて何の意味もないよ。でも結果的に何の罰もないことに言葉をつけることで彼は満足したんだ」

コーラは笑い、顔を彼女のメイトに向ける。私は唇を噛んで自分...

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