チャプター 15

フレイヤ視点

アレクサンダーの車が走り去ると、ゾーイが泣きそうな顔で私に飛びついてきた。

「フレイヤ、あんたは命の恩人よ! あんたがいなきゃ終わってた!」

私は彼女の頭をポンポンと撫でながら、頭をかき乱すアレクサンダーの残り香を振り払おうとした。

「ほら、行くわよ。パーティーに乗り込まなきゃいけないんだから。それにその顔、ひどいありさまよ。そんな涙でぐしゃぐしゃな顔じゃ、誰も見向きもしないわ」

「何よ! 私はいつだってイケてるんだから。でもさ、あんたとアルファの間の空気、マジでやばかったわよ。ガラスでも切れそうなくらいピリピリしてた」ゾーイは意味ありげに眉を動かしてみせた。

「誰の...

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