チャプター 77

フレイヤ視点

「今日、なんだか家の匂いが違う……」私はそう呟きながら、バスルームのドアを押し開けた。

アルコールのせいで感覚が鈍っていた。中に入り、服を脱ぎ始めたその時、ようやく異変に気がついた。

「え? だ、誰!? そこにいるの誰!?」私は叫び、慌ててタオルを掴んだ。

シャワーカーテンが勢いよく開けられ、現れたのはびしょ濡れの、そして全裸のアレクサンダーだった。彼は私のバスタブから出てこようとしていた。

「アレクサンダー!?」私は悲鳴を上げ、タオルを体に巻き付けた。

彼のアルファとしてのフェロモンが、私を直撃した――強烈で、圧倒的で、完全に制御を失っている。アルコールで朦朧とした...

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