第145章

エルサ

ミランダはにこやかな表情を崩さぬまま、ハンドバッグに手を入れてスマートフォンを取り出した。画面を数回タップしてから、テーブルの向こうから私の方へと滑らせる。「これ、見覚えあるかしら?」

「なんてこと……」写真を見て血の気が引いていくのが分かり、私はそう囁いた。写っていたのは小包――私の小包だ。先月ソフィアに送った、都会で買った特別な紅茶が入ったやつ。宛名ラベルには、ソフィアの祖母が住む国境近くの小さな町の住所がはっきりと見えた。震える手でスマートフォンを彼女の方へ押し返すと、危うくコーヒーを倒しそうになった。

「どうしてこれを?」口の中が急に乾き、私は囁くように尋ねた。震える指で...

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