チャプター 17

エルサ

コーヒーの二杯目を半分ほど飲んだところで、携帯電話が鳴った。発信者表示には、ブラック・オブシディアンの群れの長年の顧客の一人であるハリス氏の名前があった。私は背筋を伸ばし、仕事モードに切り替える。

「おはようございます、ハリス氏。本日はどのようなご用件でしょうか?」昨夜のドレイクとの一件で骨の髄まで染みついた疲労を隠し、私は落ち着いた心地よい声を保った。

「エルサ! ちょうど君と話したいと思っていたところだよ」彼の声は熱意に満ちており、最近向けられていた同情や軽蔑の視線とは違う、歓迎すべき変化だった。「先週話した精錬済みの銀鉱石の件なんだが、私のビジネスパートナーのマイク・ロッシ...

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