チャプター 177

エルサ

私がすぐに応えずにいると、アレンの声は熱を帯び、その身をさらに私へと寄せてきた。「エルサ、俺が君を大切に思ってるって、分かってるだろ。兄貴のために君が働いているとか、そんなことは関係ない!」

私は固唾を飲んだ。彼の言葉の重みが、まるで物理的な存在のように私たちの間にのしかかる。もちろん、分かっていた。アレンが私に想いを寄せていることには、もう何ヶ月も前から気づいていた。これまで一度もはっきり口にしたことはなかったけれど、その兆候は紛れもないものだった――私を追う彼の視線、心のこもった贈り物、執拗なまでの誘い。

そして私は、それからずっと逃げてきた。何もかも――ドレイクの残酷さや狡...

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