チャプター 188

エルサ

私は手の中のケーキを見つめ、後で食べられるように包んでおくべきか考えた。胃はまだ空っぽな感じがしたが、何かを口にすると思うだけで吐き気がした。医者からは「重度の栄養失調状態」だと説教された。新しい仕事と母の病気の両立に追われ、ただ食事を忘れていただけなのに。まるで意図的に飢えていたとでも言いたげな口ぶりだった。

「クソが」と私は吐き捨てるように呟いた。指先がまだ残る脱力感で微かに震える。重いため息をつき、ケーキをナプキンに包んでハンドバッグにしまい込んだ。後でお腹が鳴って、ドレイクの咎めるような視線に晒されるよりは、手元に置いておく方がましだ。

噂をすれば影、そのドレイクは病室の...

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