チャプター 212

私が答えるより先に、彼は箱を開けた。中から現れたのは、サファイアのペンダントがついた繊細なネックレス。その石はプロジェクションマッピングの色とりどりの光を捉え、青い火花を散らしてきらめいた。息をのむほど美しかった。

「いいかな?」と、彼はネックレスを持ち上げながら尋ねた。

喉の奥がつかえて声が出せず、私はただ頷いた。ドレイクが私の後ろに回り、留め具をかける指先が首筋を掠める。暖かい夜気とは裏腹に、その感触に肌が粟立ち、鳥肌が立った。サファイアは私の鎖骨のくぼみに収まり、長年つけていた銀の月のペンダントに取って代わった。

頭上でライトショーがクライマックスに達したとき、自分の中で何かが変わ...

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