第二十三章

エルサ

早朝の病院の廊下は静まり返っていた。私とオリバーは並んで歩いていた。シルバー先生の治療を何度か受けたおかげで、彼の足を引きずるのも以前より目立たなくなっている。私の胃はきりきりと痛んだ。母への心配と、ドレイクに対する混乱が入り混じっている。昨夜のことは、まだ非現実的に感じられた。

母の病室に近づくと、ドアの外にテイラーが立っているのが見えた。ぱりっとした黒いスーツに身を包んだ彼の長身は、見間違えようもなかった。私の足が、一瞬ためらった。

「ヘイル様」彼は丁重に挨拶し、軽く頭を下げた。「ストーン様より、お母様の治療のお手伝いをするよう言いつかって参りました」

私は身を固くし、ハン...

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