チャプター 231

エルサ

「ドレイク!」

止める間もなく、その名前が喉からほとばしり出た。私はパニックに襲われながらもとっさに身を投げ出し、床に倒れ込む寸前で彼を受け止めた。彼の重みに私も一緒に押し潰されそうになったが、なんとかソファへと誘導し、私の肩にぐったりと頭を預けさせる。

「気分が……悪い」

彼は私の首筋に顔を埋めたまま、もごもごと呟いた。肌に触れる唇が、焼けるように熱い。

悔しいけれど、心底心配になってしまった。呼吸は浅すぎるし、肌は異常なほど熱を持っている。「くそ、くそ、もう……」私は悪態をつきながら彼をソファに横たえ、長い手足が窮屈にならないよう姿勢を整えた。

「大丈夫よ、なんと...

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