チャプター 27

屈辱にまみれて突っ立っているオメガを見て、私は思わず口の端を吊り上げた。

エルサ・ヘイル――ドレイク・ストーンのお気に入りのアシスタント。乱れた髪、腫れあがった唇、首筋には生々しい痕がいくつもつけられている。情事の残り香が、まるで忌々しい広告塔のように彼女にまとわりついている。哀れだわ。なのに、どういうわけか魅力的でもある。

内なる狼が身じろぎした。この部屋にいる誰かさんたちとは違って、少なくとも彼女は自分を偽ってはいない。その生々しいほどの正直さを、私の狼は評価しているようだった。

「ルミン様」屈辱を堪えているにもかかわらず、その声は見事なほどに落ち着いていた。「新人インターンがドレ...

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