チャプター 41

エルサ

アレクサンダーが守るように隣に立ってくれている中、私がVIPルームのドアから半分ほど出かかった、その時だった。ドレイクの冷たい声が、鳴り響く音楽を切り裂いた。

「ヘイルさん」その声色に、私はその場で足を止めた。「少し、いいかな」

渋々振り返ると、ドレイクがスーツのジャケットの内側から茶封筒を取り出すのが見えた。私が着ている、汚れたブラウスの上に羽織ったジャケット――そこに目立つように入ったムーンシャドウ・パックの記章を目にした時、彼の顎がこわばるのが見て取れた。

「君はまだ、厳密には勤務時間中だからな」ドレイクはわざとらしいほどゆっくりと封筒を差し出しながら言った。「せいぜい役...

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