チャプター 55

マホガニーのデスクを指で叩きながら、俺はルークが携帯をめくるのを眺めていた。彼の視線は数分おきにブルペンへと走り、シルヴァーリッジ・プロジェクトに関する我々の議論の邪魔をした。

「エルサは今日、出社してるか?」彼がとうとうフォルダーを置いて尋ねた。

無意識に顎が強張る。「当たり前だ。俺の秘書なんだからな」俺の、ものだ。くそっ、なんで誰も彼も急に彼女に興味を持ちやがる?「辞職なんて馬鹿な真似で、俺を焦らしているだけだ」

ルークは椅子にもたれかかり、全てお見通しだという表情を浮かべた。「なあ、レックスが彼女のことを聞いてきたぞ。昨日、キャンパスで二人が話しているのを見た」

俺の手の中でペン...

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