チャプター 72

エルサ

それが終わると、私は冷たい壁に身を預けた。空虚感と、自分自身への嫌悪感に苛まれながら。ドレイクが私の服の乱れを直してくれる。その手つきは意外なほど優しかったが、彼の目に浮かぶ満足感と所有欲に吐き気がした。

「ドレスに着替えろ」。彼はそう命じると、私の唇に軽いキスを落とした。その指先が何気なく鎖骨を滑り、私は不本意に身震いする。「外で待ってる」

彼が出ていくと、私は鏡に映る自分を見つめた。腫れ上がった唇、虚ろな瞳、首筋にはっきりと残る痕。拳を握りしめると、一筋の涙が頬を伝った。

もう、これで絶対におしまいだ。私は心に誓った。嵐のように怒りが込み上げてくる。二度と彼にあんな扱いはさ...

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