チャプター 80

エルサ

私は二匹の狼――所有欲に燃える黄金の瞳を宿したドレイクと、穏やかな気遣いを見せるアレン――の間に挟まれ、凍りついていた。

「大丈夫です」私はアレンに言った。内心の動揺とは裏腹に、自分でも驚くほどしっかりとした声が出た。「お申し出、ありがとうございます」

ドレイクの顔に浮かんだ安堵の色は、アレンが名残惜しそうに身を引くと、すぐにいつもの傲慢な表情に隠された。手に入るかもしれなかった自由が彼と共に去っていくのを、私は見送った。胸が締め付けられて息もできず、爪が三日月形に手のひらに食い込んでいた。

ドレイクの手が忌々しい万力のように私の腰を掴み、ぐいと引き寄せる。「賢い選択だ」彼は囁...

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