チャプター 133

エレナ視点

リチャードの寝室は相変わらず清潔で、彼特有の香りが満ちていた。彼はベッドサイドの引き出しを開け、小さな瓶を取り出すと、特殊な軟膏を注いだ。

「ジャケットを脱いで。傷を見せて」と、彼は命じた。

私はそれに従い、彼が傷に軟膏を塗ってくれた。途端に、強い薬草の香りが立ち込め、奇妙なめまいがした。

「これ……なんの薬なの?」私は尋ねた。「すごく匂いが強い……。頭がくらくらする」

「正確な成分は知らない」リチャードはこともなげに答えた。「めまいがするなら、横になれ」

彼は軟膏の瓶を放り投げると、突然私を抱き上げ、ベッドへと運んだ。抗議したかったけれど、体はすでに水のようにぐにゃぐ...

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