チャプター 19

マックス視点

キャシーの表情が暗く沈んだ。今の言葉が彼女にどう聞こえたか、俺はハッとして悟った。くそっ、しくじったな。

「そんなことない」俺は慌てて口を開いた。「母さんがお前を置いていったのは、いらなかったからじゃないんだ。母さんは――」

「母さんが何だって言うの?」キャシーが低い、怒りの滲む声で問い詰めてきた。「あの日、母さんはあなたとリリーだけを連れて行って、私を置き去りにした。私を捨てたのよ。それに、父さんも嘘をついてた。母さんは死んだって言ってたのに!」

直ちに誤解を解かなきゃいけない。「母さんはお前を捨てたわけじゃない」俺はきっぱりと言い切った。「それに、嘘をついていたのは二...

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