チャプター 36

キャシー視点

私はぬいぐるみをぎゅっと抱きしめて、教室に入った。もし、すごく静かにしていれば、今日は誰にも気づかれないかもしれない。

その希望は、ドアをくぐった瞬間にあっけなく消え去った。すぐにひそひそ話が始まったのだ。

「見てよ、あの子が戻ってきた」ツインテールの女の子が、私にだけ聞こえるくらいの声で言った。「全然しゃべらない、変な子よ」

「お屋敷に住んでるけど、お父さんに閉じ込められてるって聞いたわ」別の子供が付け加えた。

私は目を伏せたまま、一番後ろの隅にある自分の机へと歩いた。みんなの視線を感じる。そのひそひそ声は、まるで小さなナイフみたいに私を追いかけてきた。

「キャシー...

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