チャプター 78

エレナ視点

リチャードが去った途端、私は膝から崩れ落ちそうになった。手近な椅子を掴んでそこに沈み込むと、感情の波が押し寄せてくる。胸が締め付けられるようだった。

ジェラルドからキャシーとリリーを連れて行くというメッセージを受け取った時、すでに嫌な予感がしていた。リナにマックスの世話を頼み、一人で駆けつけたのだ。でも、こんな状況に直面するなんて思ってもみなかった。

「エレナ?」ライリーが心配そうな声で尋ねてきた。「大丈夫?」

私は力なく頷いたが、言葉を発することはできなかった。私の中の狼が心を掻き乱していた。この宙ぶらりんな状態がようやく終わるという安堵と、子供たちの父親との形式的な繋が...

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