第177話

「こんにちは、エラ。私はレオンだ」奇妙な男を疑わしげに見つめる私は、この状況を全く信用していない。彼は目もくれず、まるで私が逃げ出す準備をしている警戒心の強いウサギのように彼を見ていないかのように続ける。「ガブリエル王があなたはヒプノセラピストを探しているって言っていた」

私は返事をせず、まだ彼を値踏みしている。医者というものは昔から好きではなかったし、それには理由がある。産婦人科医が私に精子バンクへ行くよう促したが、その医者が詐欺師だったと知った今、医療従事者に対する疑念はいつも以上に強くなっている。正直言って、見知らぬ人間に目を閉じて横になり、自分の最も深く暗い記憶を掘り起こされるなんて...

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