第353話

「えーと、失礼」とロジャーが言うと、シンクレアと私は互いに驚いて彼に注目した。「明らかに」と彼は自分と兄の間の空気を指差しながら言う。「シンクレアの血が欲しがられた理由は、唯一明確な答えがあるものだ—」

「ああ、もう、ロジャー」シンクレアはため息をつき、椅子に深く腰掛け、疲れた様子で手で顔を覆った。

「この遺伝子の質といったら」ロジャーは笑みを浮かべて続ける。「誰だってこの赤ちゃんが欲しくなるよね—」

「私はもう欲しくないわね」コーラが冗談めかして言い、腕を胸の前で組み、片眉を上げてロジャーに向かってニヤリと笑った。「赤ちゃん売ります！最高額の方に！」

「お前は何百万もの価値があるんだ...