第438章戴冠式

エラ

シンクレアと私は数時間後に目を覚ました。ベッドの上や周囲の床には私たちの服が散らばっていた。今日は大切な日なのだから。

シンクレアが動き始めるのを感じて、私は少し唸った。

「ダメ」と私は囁き、彼に腕を回して引き戻した。

というか、彼が私に引き戻されるのを許したというべきかもしれない。私には大きくて恐ろしいアルファである彼に、彼が望まないことを物理的に強制できるほどの力はないのだから。

でも彼は優しく、私の願いに応えてくれた。

「わかってる」と彼は巨大な手で私の顔を包みながら囁いた。「ごめんね、トラブルメーカー。でも起きて、大切な日のために綺麗にしないといけないんだ」

「みっ...