オール・フォー・ユー・ファイヤーボール

サイラス

子犬みたいによく眠れた。今朝、群れの家へ向かうことは、確実な死に足を踏み入れることかもしれないと分かっていたんだ。普通なら、夜通し輾転反側としていたっておかしくない。なのに、俺はぐっすり眠れた。レイヴンはもうヒート・クリニックを使えない。彼女がどう思おうと、そんなこと知ったこっちゃない。俺は起き上がって伸びをする。今朝、自室に戻ってきてベッドに倒れ込んだとき、彼女には何も言わなかった。もう少し眠りたい気もするが、このままベッドにいたら、自分の葬式に遅刻しちまう。

シャワーに飛び込むと、隣の部屋にいるレイヴンのことで頭がいっぱいになる。彼女は何をしているんだろう? 何を着ているんだ...

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