私はいちゃつくのですか?

セイン

一体、俺は何をやってるんだ？　口説いてる？　俺が？　そんなはずはない。俺はそんな男じゃない。女を口説くようなタイプじゃないんだ。

「どうして携帯をちらちら見てるんだ、セイン？」

「アイラのことを見てるだけだ。落ち着いてるか確認してるんだよ、サイラス」

「へえ、俺たちの小さな狼ちゃんはどうしてる？」

「彼女は『俺たちの』小さな狼じゃない。俺たちのものなんかじゃない。それに、そんな風に呼ぶな」

「はいはい。『俺たちの』ものじゃない、ね。だが、その『何でもない』存在に、随分と心を奪われてるみたいじゃないか」

「ただ、彼女がパニックにならずに、快適に過ごせているか確認したいだけだ...