ワン・ナイト・オブ・ファン

サイラス

「いいだろう……俺は一度も耳を切り落としたことはない」俺はすぐに酒を飲んだ。「へえ、ファイアボール。お前のことを見誤っていたかもしれないな。俺と同じレベルだと思ってたんだが。耳の一つも取ったことがないのか? そうなると、俺が昔、縄張りの目印に何を使っていたか、知りたくもないだろうな」俺が笑うと、彼女はさらにこちらに体を向けた。その目に何かが燃え上がっている。好奇心と、ほんの少しの欲望が混じったような光。そう思う。「何で目印を作っていたの?」「ゲームを続けろよ。そしたらわかるかもな。俺の番だ。俺は……雪の中で裸で訓練したことはない」「私もないわ」ファイアボールは、どこか残念そうに言っ...

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