スタジオアパートメント

サイラス

「ハニー、お帰りだぞ」

俺は芝居がかった仕草でドアを開け、先にファイアボールが入るよう手で促した。嵐が起きる気配はもう肌で感じていたのに、馬鹿みたいにニヤニヤしてしまう。

「誰に話してるの?」彼女は言った。口調からして、まだまだ俺に腹を立てているのがありありだ。案内でもしたら怒りが収まるか? そんなわけない。むしろ逆だろう。

「誰でもない。言い回しだよ。変身者がふざけて言うやつ。お前が、はっきり言って、まったく知らないやつな」

ついボタンを押してしまう。簡単すぎるし、面白すぎる。

「消えろ、サイラス」

「なんて口の甘い伴侶だ。運命に祝福されてるな」

俺がドアを閉めると、彼女...

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