役に立たない (デュアルPOVチャプター)

第二章――セイン/アイラ 二重視点

*視点が切り替わるというご指摘を頻繁にいただくが、こちらも切り替わっていることは承知している。

*視点の切り替えは章内およびタイトルに明記している。*

セイン

つがいと踊り始めたのは、ほんの戯れの延長だった。彼女の腰が数度、俺の脚にすり寄っただけ――それだけのはずが、たちまち思考は生々しい欲に塗り替えられていく。俺たちを結ぶ絆が熱を脈打たせ、欲望の火花が行き交っては跳ね返り、まともに考えることすら難しくなった。

「経験ゼロのわりには、そこまで下手じゃないでしょ?」彼女は笑い、俺がひと回し外へ放ったところで軽やかに身を翻す。俺はすぐに引き寄せ、耳もと...

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