私は行かないよ。

セイン

今しがた目撃したパニック発作は、おそらく仔狼ちゃんが経験した中で最悪のものだった。絆を通してどんな感情を送ろうとしても彼女には届かず、言い聞かせようとしても無駄だった。彼女には俺が見えていなかった。サイラスもレイヴンも見えていなかった。

彼女はずっと昔に葬り去ったはずの声が、内側から蘇るのを聞いていた。

亡くなった友人のことを案じ、

若かった頃の俺を心配し、

そして、俺の妹を気にかけていた。

部屋の隅の床に座り、巣の中で眠る彼女を見守りながら、俺はこぼれ落ちる涙を拭った。家族を失って以来、こんなに泣いたことはなかった。アイラが感じていた痛みは絆を通して突き刺さり、俺自身の感...

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