待ちたくない

デイモン

レイヴンが誘拐されたことで、俺の引越しと番になるまでの計画が早まったとは言いたくない。だが、実際その通りだった。

明日何が起こるかなんて誰にも分からないのだと、改めて思い知らされた。だから、例の拷問リストを買い出ししている間、俺は群れの仲間たちと必死に念話で連絡を取り合い、新しい家の準備を進めていた。

実を言うと、レイヴンと帰る道すがら、もう始めていたのだが。

リビングの家具を二つも所有する誇らしいオーナーになるとは夢にも思わなかったが、今や俺はそうだ。

なかなかいい気分だ。

「あと一歩だけ」俺は目隠しをされた番に声をかけ、新しい家のポーチへと導く。アイラを送り届けた後、アパー...

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