適切なキス

アイラ

「ここから出してあげようか、小さな狼ちゃん?」静寂を破ったのは、セインの声だった。

私はただ、心からの感謝を込めて彼を見つめた。恐ろしい悪夢から私を救い出してくれたばかりなのだ。彼はいつも、私が必要とするときに必ず見つけ出してくれる。その深い緑色の瞳は、答えを待つように私の魂の奥底まで見通してくるようだった。私が「はい」と頷くと、彼はゆっくりとベッドの下から這い出し、私を一緒に引きずり出してくれた。

「アイラ、わざとここで寝ていたのか?」

私は「いいえ」と首を横に振った。ベッドの下に行き着くのは本意じゃない。でも、どうやらひどい悪夢の最中には、無意識にそこへ行ってしまうみたいだ...

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