無礼にならないで

ロンダ

助手席のマーラが、リボルバーに新しい弾を叩き込んでニヤリと笑う。「で、マジであいつを追っかけるわけ? あのスラムのガキ、レイヴン相手にヒーロー気取りで乗り込むつもりかよ? 可愛らしいこった」

彼女が笑うのと同時に、アタシは息子の店から盗み出した車のアクセルを床まで踏み込んだ。

前はちゃんと見えてる……たぶんね。

それに、尻の下には分厚い本を敷いてるし。

アタシは片手でハンドルを握り、もう片方の手で追跡装置を叩きながら笑い飛ばした。「可愛いだと? ハッ! レイヴンを救出する時に、あいつなんて瞬殺されてお払い箱さ。一生からかってやるよ。それにレイヴンのこととなると……ホットで賢くて、...

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