アルファ神社と足の爪の切り抜き

セイン

俺は今、オフィスで煮詰まっている。デスクに足を乗せ、今夜四杯目になるウィスキーのストレートを呷る。喉を通る灼熱感はもうない。それが、俺が究極の目標達成に近づいている証拠だ。その目標とやらは、当初はアイラを頭から追い出すことだったのが、今やどうすれば彼女から離れていられるか、というものに変わってしまった。森でアイラと過ごした時間は完璧だったが、それに『デラが言ったこと』が重なり、『彼女がなぜ攫われたのか』という疑問が混ざり合い、『俺は恋愛関係はごめんだ』という信条で上塗りされ、さらに『とんでもない厄介事が起きそうだ』という予感が加わって、俺の頭の中はぐちゃぐちゃになり、感情の抑制が効か...

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