廃墟の中の遺産

セイン

爪が空洞へと突き抜けた。次の石片はほとんど抵抗もなく外れ、淀んだ空気が裂け目から勢いよく吹き込み、粉塵を顔面に叩きつけた。その風に乗って、アイラの匂いが突き刺さる。

血。

血の匂いが濃すぎて、その下にあるはずのラベンダーがかき消えた。

ローナンの唸りが、俺の内側を貫いた。

「アイラ!」

俺は身を低くし、裂け目の縁を引き裂くようにして広げた。すると、どこか下で青い光がちらついた。デイモンが、全員動くなと叫ぶ。

ほとんど耳に入らなかった。光がもう一度、瓦礫の下でかすかに明滅し、今度は彼女の盾の曲線が見えた。

それは彼女の身体にきつく巻きつくように張りついている。

半球状の...

ログインして続きを読む