アルファ・パーズ

セイン

腕の中でアイラを抱きしめながら、これ以上の幸せがこの世にあるとは思えない。彼女を喰らい尽くしてしまいたい衝動に駆られる。彼女の全身に、そしてその内側に、俺自身を刻みつけたい。この繋がりがどれほど早く形作られ、どれほどの速さで深まっているのか、まったく理屈に合わない。俺の硬くなったものが彼女の腹に押し当てられているのを、きっと彼女も感じているはずだ。望むがままに彼女を手に入れられるなら、どんな取引にだって応じるだろう。だが、それは同時に、俺たちを後戻りできない場所へと連れて行ってしまうだろう。

もちろん、この抱擁は、それを必要としている誰かのための精神的な慰めだと、言い訳はできる。そ...

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