シー・ウルフ・ネイルズ

セイン

俺は小さな狼と食堂へ向かって歩く。道中、俺たちは互いに横目でちらりと盗み見る。俺は彼女の美しさに畏敬の念を抱きながら見つめる。同時に、彼女が逃げ出してしまうのではないかという恐怖も感じていた。彼女のほうはきっと、俺がまた彼女の心を傷つけるのではないかと恐れながら俺を見ているのだろう。二人とも、同じことを恐れている。

ここからどうすればいいのか、どちらにも分からなかった。

俺には進みたい道が分かっているが、穏やかなアプローチを取る必要がある。彼女がこの溝をこれ以上長引かせようとしない限り、俺は優しくあり続けるつもりだ。

俺には俺の番(つがい)が必要だ。

俺のルナが。

ルナの中...

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