ポアズケーション

セイン

胸を刺す鋭い痛みに、俺は無から引きずり出された。目が痛くて、視界をはっきりさせようと必死に瞬きをする。頭を上げると、自分がアイラのベッドにいることに気づいた。彼女は隣で脚を組んで横になっているが、その上半身は前に倒れ込んでいるような格好だ。彼女が息をするたびに、一筋の白い髪が顔の前で揺れているのが見える。それで彼女が無事なのはわかったが、俺の混乱が晴れるわけではない。

首を左に向けると、サイラスが寝室の向こうの壁にもたれて眠っているのが見えた。俺は手を伸ばし、自分を繭のように包んでいるらしい青く透き通った壁を指でなぞる。

「サイラス」くそ、喉が嗄れてる。子狼のやつを、少し見直した...

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