津波

アイラ

今朝、私が目覚めたとき、ベッドは空だった。温かいアルファのセインの代わりにあったのは、一枚のトレー。チョコレートケーキが一切れと、メモが添えられていた。

*小さな狼へ、

すまない、行かなければならなかった。いくつかの答えが浮上し、俺の問いをぶつけなければならない。

このケーキを食べて、それから俺にひれ伏させてくれ。

――T*

ケーキの光景は嬉しかった。完璧な朝食で、食べるのが待ちきれないほどだ。でも、メモをじっと見つめていると、思わず顔をしかめ、少し眉をひそめてしまう。私にはセインを呼ぶための名前がない。彼は「小さな狼」と呼んでくれるけれど、もし私が自分だけの愛称を持ちたかっ...

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