本来あるべき人生が欲しい

セイン

彼女の部屋に入っただけで、リトル・ウルフが一日中不安だったことがわかった。ラベンダーの香りが、胆汁の酸っぱさと恐怖の気配をまとって、この部屋に濃く立ち込めている。何とかしてやらなければ。俺のオメガを、落ち着かせないと。

「今週末、俺のものになると言ってくれ」俺は緊張しながら尋ねる。この国最大のパックを率いるアルファだ。何者も、何も恐れない。それなのに、心拍数が上がり、彼女の返事を待つ間、胸がそわそわと落ち着かない。

「なるわ。あなたがそばを離れないでいてくれるなら」

俺はリトル・ウルフのそばに身を寄せ、彼女の脚を自分の膝の上に乗せた。身を屈め、彼女の鎖骨に優しくキスを落とす。「...

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